しずおカードだら

SPAC主催、リーディングカフェ＠グリーンハウスに参加した。

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メロスは激怒した。必ず、かの邪知暴虐の王を除かなければならぬと
決意した。メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。
笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に
敏感であった。
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この書き出しはテキストを見ないでも言える。
中学の時、教科書に載っていた『走れメロス』と出会い、
それ以来ずっと好きで、折に触れて読んできた。

歯切れのいい文章、小気味よいリズム。
内容以前に声に出す時の“のどごし”というか、“舌ざわり”というか、
そんなものがたまらなく好きだ。

中学の授業でこの物語を扱った際、僕の記憶では“うつくしい友情譚”として
読み解いたような気がかすかにする。

主人公メロスと、竹馬の友セリヌンティウスの
信実の友情。それが主題（テーマ）だ、と。



今日、SPACの夏休み公演『走れメロス』を観劇してきた。
実によかった。

あまり内容について言及すると
まだ明日・あさっての公演が控えているので
それを観に行く人のたのしみを奪ってしまうことにもなりかねない。

とにかく、よかった。
新しい、『走れメロス』に出会うことができた。
この経験は大きい。
今後、他の文学作品においても同じような愉しみに出会えるのではないか。
考えるだけでわくわくする。

演出の安田雅弘氏の幾重にも重ねた舞台上の『意味』が、
観終えた後の解説でほどけてきた。
まだまだ、観劇初心者だな、と自分を恥じた。
それにしても、演出とはすごい業だと思い知らされた。


『走れメロス』についての読みがどう変わったのかは、
また後日時間があれば記すことにする。
いつか、今日感じたメロスを授業できたらいいとひそかに思う。
まだご覧になれるチャンスはあるかも。
気になる方はチェックしてみて！↓
http://www.spac.or.jp/09_summer/melos.html
明日８日・あさって９日の公演があります。